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集中講義: 幾何学特論II (11/19~21)
科目番号: 01BB049
日時: 11月19日 (月) ~ 11月21日 (水)
場所: 自然系学系棟 D814
講師: 太田 慎一 氏 (京都大学大学院理学研究科数学専攻・准教授)
講義題目: 最適輸送理論とリッチ曲率
講義概要:
最適輸送理論とは, 「ある分布 (確率測度) を別の分布に最小のコストで輸送する (押し出す) 方法」を研究する分野であり, 偏微分方程式論や確率論などで近年非常に活発に研究されている. 例えば, 最適輸送コストを分布の間の距離と考えるとき, この距離構造についてのある種のエントロピーの勾配流は熱流と一致する. また, リーマン多様体では最適輸送の性質は多様体の曲がり方と密接に関係し, エントロピーの凸性とリッチ曲率を下から押さえることの間の同値性が知られている.
この講義では, まず前半でユークリッド空間内の最適輸送の基本的な性質を解説し, 熱流との関係についても述べる. 後半ではリーマン多様体内の最適輸送を扱い, 上述のリッチ曲率との関係と幾何的・解析的応用を述べる. 最後に最近の発展について簡単に概説する.
代数特別セミナー (11月15日)
場所: 自然系学系棟 D509
タイトル: Higher Chow cycles on Abelian surfaces
講演者: Ramesh Sreekantan 氏 (The Indian Statistical Institute in Bangalore)
概要:
In this talk we use generalizations of beautiful classical geometric constructions of Kummer and Humbert to construct new higher Chow cycles on Abelian surfaces and K3 surfaces over p-adic local fields, generalising some work of Collino. The existence of these cycles is predicted by the poles of the local L-factor at p of the L-function of the Abelian surface. The techniques involve using some recent work of Bogomolov-Hassett and Tschinkel on the deformations of rational curves on K3 surfaces.
解析セミナー (11月14日)
場 所 : 自然系学系棟 D509
(1) 15:10-16:00
講 師 : Katsiaryna Krupchyk 氏 (University of Helsinki)
タイトル : "Inverse boundary value problems for perturbed polyharmonic operators."
(2) 16:10-17:00
講 師 : Mikhail Hitrik 氏 (UCLA)
タイトル : "Tunnel effect and symmetries for non-selfadjoint operators."
(3) 17:10-18:00
講 師 : 長谷川 誠 氏(LORIA,フランス)
タイトル : 「ラドン変換を用いたアフィン変換に頑健なパターンマッチング」
微分幾何火曜セミナー(11月13日)
場所: 自然系学系棟B627
講演者: 三石史人 氏 (東北大)
タイトル: アレクサンドロフ空間の局所リプシッツ可縮性とその応用
概要:
アレクサンドロフ空間とは断面曲率の下限を備えた距離空間です。多様体の収束・崩壊理論の観点から、アレクサンドロフ空間の研究は重要であり、その局所的・大域的な性質が色々と判明しています。例えば、ペレルマンによって、アレクサンドロフ空間は位相的に局所可縮である事が知られています。今回、その証明と異なる方法を取ることによって、主張「局所的な一点へのホモトピーがリプシッツ写像で取れる」事を証明しました。講演では、主張の証明のアイディアと応用を述べます。
代数分野:特別セミナー (11月1日)
代数分野:特別セミナー
日時 11月1日木曜 15:15-16:30
ColorSymmetries Associated with Non-Periodic Structures
Ma. Louise Antonette N. De Las Peñas, PhD
Professor, Mathematics Department
Ateneo De Manila University Philippines
With the discovery of quasicrystals in 1984, the research field ofnon-periodic crystallography has grown and expanded in several directions.Structural problems continue to interest mathematicians and physicists.
In this talk, we discuss a method that allows the investigation of symmetriesof non-periodic structures via colorings of cyclotomic integers. In particular,our work looks at ideal colorings of Mn= Z[xn] where xn = e2pi/nis a primitive nth root ofunity for values of n for which Z[xn] is aprincipalideal domain and thus has class number one. The values of n are groupedinto classes with equal value of f(n),the Euler’s totient function. In the lecture, some results on color groups andcolor preserving groups will be presented.
The colorings of Mn may be manifested geometricallyas a vertex or tile coloring of a two dimensional tiling with n-foldrotational symmetry, which is non-periodic for f(n) > 2. For suchcases, since Mn is dense on the plane, we choose a discretesubset of Mn for which we show the colors. The discovery ofquasiperiodic tilings such as the Penrose tiling, also raised the questionabout color symmetries of such tilings.
群論を応用して複数の分子からなる結晶構造を調べる研究のお話です。
連絡先 秋山茂樹(4395)
微分幾何火曜セミナー(10月23日)
場所: 自然系学系棟B627
講演者: 守屋克洋 (筑波大学)
タイトル: 調和逆平均曲率曲面の変換
概要:
数物連携講演会のご案内(10月16日)
皆様のふるってのご参加をお待ちしております。
日時:10月16日(火) 15:30 ~ 17:30
※ 15:00 ~ 15:30 にティータイムがあります (ティータイムの場所:総合B棟108号室).
場所:総合B棟110公開講義室
講演者:小澤 正直 氏 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
講演題:ハイゼンベルクによる不確定性原理の定式化の反証可能性と新しい定式化,及び,新しい解釈
講演要旨:1927年にハイゼンベルクは,不確定性原理を提唱して,質点の座標Qと
その運動量成分Pを同時に正確に測定することはできず,その誤差ε(Q), ε(P)
の間には,ε(Q)ε(P)≧h/4π という関係があると主張した。しかし,重力波検出
装置の感度限界を巡る論争において,この関係式を破る測定の数学モデルが
構成され,この関係の正当性に疑問が生まれた。本講演では,2003年に
提唱された新しい関係式の理論的普遍妥当性,実験により古い関係が破られ,
新しい関係が成立することを示す可能性を議論する。また,従来,量子力学では
非可換性と同時測定可能性は同等の概念だとされてきたが,新しい関係式
によってこの解釈を変更する必要性があることなどについて,量子測定理論,
量子集合論,及び,弱値と弱測定に関する最新の成果を交えて議論する。
トポロジーセミナー(北山貴裕 氏,10月4日)
場所:筑波大学 自然系学系D棟 D509
講演者:北山貴裕 氏 (京都大学 数理解析研究所)
講演題目:On an analogue of Culler-Shalen theory for higher dimensional representations
アブストラクト:
Culler and Shalen established a way to construct incompressible surfaces
in a 3-manifold from ideal points of the SL_2-character variety.
We present an analogous theory to construct certain kinds of
branched surfaces from limit points of the SL_n-character variety.
Such a branched surface induces a nontrivial presentation of
the fundamental group as a 2-dimensional complex of groups.
This is a joint work with Takashi Hara (Osaka University).
当日,懇親会を予定しております.
微分幾何火曜セミナー(10月2日)
場所: 自然系学系棟B627
講演者: 相山玲子(筑波大学)
タイトル: Curvature ellipses of surfaces in Euclidean 4-space
概要:
4次元Euclid空間内の曲面の曲率楕円とは,各接平面内の単位円周を第二基本形式によってうつした像である,各法空間内の楕円です.各法空間内で曲率楕円の位置を判別するための新しい方法を与え,曲率楕円が原点を通る直線内の線分に退化している場合の様子について報告します.
筑波大学数学談話会(9月27日)
Abraham Wald Prize in Sequential Analysis および
日本統計学会研究業績賞
を受賞しました。それを記念して談話会を開きます。
日時:9月27日(木)15:30 ~ 16:30
※ 15:00 ~ 15:30 にお茶の時間があります。
場所:自然系学系D棟509号室
タイトル:たった30個の標本で,10000次元のデータを,どこまで精密に解析できるか?
講演概要:近年,高次元小標本のデータ科学が,理論と応用の両面から世界中で活発に研究されています.ゲノム科学・情報工学・金融工学に端を発する高次元小標本データは,新しいタイプのデータ科学を生み出そうとしています. 従来の統計学は,大標本を前提とするために,高次元小標本のデータ解析に精度を保証する解を与えてくれません.そのことは,最近まで正確には知られていませんでした.高次元小標本のデータ科学には,従来の統計学の枠組みを超えた,新しい発想が必要になります. 本講演では,10000次元を超える高次元データを,100にも満たない僅かな標本数で扱います.上手に扱わないと,高次元データからはノイズしか聞こえてきません.しかし,本来,高次元データは,豊富な情報を内包しているはず.高次元小標本におけるデータ空間の特性を理解して,適切に解析を行えば,高次元データは驚くほど豊かな情報を語ってくれるのです. 当日は,高次元小標本のデータ科学に高精度かつ高速な解析を行うために,青嶋・矢田が一連の共同研究で構築した理論と方法論について,アイデアの幾つかをなるべく平易に説明します. |