数学について・研究について

複素数の虚数単位 i は日常生活において表現できないものだと思うのですが、 何か役に立っているのですか?


数学は複雑なものを簡単に表示したり、理解したりするときに大いに役に立ちます。 
実直線1本だけを考えている時には余り複素数は役に立ちませんが、
平面で物事を考える時や我々が住んでいる3次元空間、時間まで1次元だと考えた
4次元空間を考える時には、複素数は信じられないほど役に立ちます。

物理では、我々が住んでいる空間の直線は 実直線だけではなく、
虚数軸も考えた方が分かり易いと言われています。

電気を扱うための理論にも複素数が用いられています。
発電所から家庭用に供給されている電気は交流ですが、
その交流の計算に複素数を用いることが驚くほど有効であるため、
この分野の技術者にとっては複素数は必須の知識となっています。

高校の段階でも、sin や cos の加法定理を覚えるのは記憶力ですが、複素数で表記すると、
オイラーの定理 e(i a)=cos(a)+ i sin(a) から加法定理は簡単に出てきます。
ベクトルの代わりもしてくれます。

日常生活で使われないのは、ほとんどの人が理解できないからであって
役に立たないこととは違います。ですから使える人は実社会の様々な場面で重宝がられます。