学類長からのメッセージ
数学類長 小野 肇

 

 数学は自然科学、工学、社会科学など様々な学問で言語の役割を果たすと言われます。もちろんそのような一面もありますが、数学はそれらを花開かせるために必要な「根」にあたる学問であると言えます。地面にしっかり根が張られることで初めて美しい花が咲き、おいしい果実が実ることができるのです。 

 高校までで学ぶ数学は主として言語としての数学であり、「根」としての数学に触れる機会はあまり多くありません。一方、大学では「論理的思考力」を用いて数学を厳密に組み立て、「根」を広くしっかり張っていきます。このような論理的思考力に裏打ちされた数学力は社会的に大学数学に求められるものですが、数学類のカリキュラムを通して徹底的に鍛えることができます。そのような力は他の分野では得ることが難しく、身につければ将来必ず役に立つ日が来るでしょう。

 「根」としての数学について強調しましたが、現代数学それ自身にももちろん美しい花やおいしい果実があふれています。数学類で学べばそれらを自らの目で眺め、自らの舌で味わうこともできます。皆さんとそのような体験を共有できることを楽しみにしています!