第1回 数理の交差点

第1回 数理の交差点

 
下記の要領でシステム情報工学研究群4域と数学域の交流を目的としたセミナー形式の集会を開催いたしますのでご案内いたします。

日時:       2022年9月22日(木) 15:00 – 17:20
開催形式:  対面・Zoom ハイブリッド(状況次第でオンラインのみ)
対面開催地: 筑波大学 筑波キャンパス 総合研究練B棟 1階0110 室(公開講義室)
       〒 305-8571 つくば市天王台1-1-1

Zoom 参加をご希望の方は 9 月19 日 (月) までに坂本 (rsakamoto[at]math.tsukuba.ac.jp) まで

9月22日(木)

15:00 – 15:10 開会

15:10 – 15:40 高野祐一 (社会工学)
       「混合整数最適化による線形回帰モデルの最良変数選択」

回帰モデルの変数選択は、統計分野で古くから重要な問題として認識されており、扱うデータ量の増大を背景として、近年はデータマイニングや機械学習などの分野でも盛んに研究されている。この変数選択問題に対して、数理最適化問題として定式化し分枝限定法を用いて求解する、混合整数最適化による解法が近年新たな注目を集めている。本講演では、線形回帰モデルの最良変数選択問題に対する、混合整数最適化による各種の定式化を紹介する。

15:55 – 16:25 山木壱彦 (数学)
       「ベルコビッチ解析空間入門」

複素数体上では、複素解析幾何が古くから展開され、そこでは解析函数が当然に中心的な役割を演じる。解析函数は、定義域の各点において冪級数展開可能であるという性質で特徴づけられる。冪級数展開を使って、「一致の定理」といった美しく顕著な性質を導くこともできる。

さて、p-進体などの非アルキメデス的付値体上で同様の理論展開が可能かどうかと いうのは、自然な疑問である。非アルキメデス的絶対値に関しても収束概念は自然に定義できるので、たとえば収束冪級数という概念も自然に定義できる。そこで、複素数体上のときと同様に、「解析函数」とは各点において冪級数展開可能なもの、 と考えるのは自然に思える。しかしながら、このように素朴に定義してしまうと、 たとえば「解析函数」が一致の定理を満たさないなど、解析函数としてのまともな 振る舞いは期待できない。

こうした課題を乗り越えるべく、20 世紀半ばから 21 世紀初頭にかけて、いくつか の理論が整備された。ベルコビッチによる解析空間の理論はその一つである。各理 論にはそれぞれ特長があるが、ベルコビッチ解析空間には、位相空間としての性質が良いという特長があり、非常に多くの数学分野で応用されている。

今回の講演では、非アルキメデス的絶対値の解説から出発して、ベルコビッチ閉円 盤を紹介する。また、データサイエンス分野において有限データから p-進距離を用いて樹形図を構成するという話が知られているが、講演の最後では、この樹形図をベルコビッチ閉円盤のコンパクト部分集合として実現する視点を紹介する。

16:40 – 17:10 藪野浩司 (知能機能システム)
       「機械システムに生じる非線形現象の解析・制御・利用」

機械システムのダイナミクスは一般に非線形微分方程式で支配されます。非線形性が本質的にダイナミクスを支配する場合は、線形近似をせずに支配方程式を解かなければなりません。本発表では、マニピュレータ、鉄道車輪軸、マイクロ質量計などの実例に関する実験を紹介しながら、機械システムに発生する非線形現象とその解析および非線形現象の制御法と利用法について発表します。

17:10 – 17:20 閉会

 

委員:

八森正泰(社会工学)
佐野良夫 (情報工学)
高安亮紀 (知能機能システム)
羽田野祐子 (構造エネルギー工学)
秋山茂樹 (数学)
坂本龍太郎 (数学)
三原朋樹 (数学)

プログラム作成責任者:三原朋樹(数学)