体験学習

高校生を対象とする数学類の体験学習では、大学で研究されている数学の内容について、高校生向けにやさしく解説します。数学を学びながら、大学でしか味わうことのできない、わくわくするような体験ができます。



今年度の体験学習

数学類体験学習の実施について

8月10日(金)の数学類体験学習は日程表どおり実施します。なお、台風13号による交通機関等への影響も懸念されますので、遅れての参加となっても差し支えありません。決して無理をせずに十分注意して参加ください。欠席する場合の連絡は不要です。

日時 平成30年8月10日(金)9時30分~17時
場所 筑波大学第1エリア1E401
講師 金子 元(数理物質系 数学域 助教)
講演題目 整数に関する有名な問題
概要
 整数は、数の中でも最も基本的なものです。特に、0以上の整数は算数において最初に学習されます。しかしながら歴史上の観点から見ると、整数は数千年もの間多くの数学者により研究され続けています。一見すると簡単な対象に見える整数について、まだわかっていないことが多いというと、驚かれるかもしれません。この体験学習では整数に関して、歴史上有名な問題を紹介したいと思います。特に、17世紀のフランスの数学者であるフェルマーが提案した問題についてテーマとして扱い、手計算を通じて整数論の考え方を学びます。
 歴史上、整数論に関して記述のある文献として、ディオファントスが書いた「算術」(3世紀に書かれたといわれています)が重要です。フェルマーはこの本を読み、独自の研究を進めました。彼は自分が得た結果に関する48個ものメモを証明なしで本の余白に書きました。この余白の中には「フェルマーの最終定理」と呼ばれる大変難しい問題もあります(問題が解かれるまでに、約360年もの年月が要されました)。フェルマーの最終定理以外の有名なメモとして、整数の平方数の和に関する問題があります。例えば、5=1×1+2×2のように、5は2つの平方数(1×1と2×2)の和で表すことができます。一方、3は二つの平方数の和で表すことができません。フェルマーは、素数について、平方数の和で表すことができるための条件を見つけました。本講演では、この条件について考察をします。
 平方数の和に関する上記の問題を解くためには、整数に関する割り算の余りが重要な役割を果たします。整数に関する割り算の余りは、小学生の時に習ったと思います。体験学習では、整数で割った余りを通じて、剰余環と呼ばれるものを紹介します。剰余環という言葉は難しそうに聞こえるかもしれませんが、本質的には整数を割った余りを記述したものです。この概念は、現代数学においても重要です。
 また、体験学習では上記以外にも様々な有名な問題を紹介したいと思います。整数は身近で扱われているにもかかわらず、未知の部分も多く、魅力的なものです。さらに整数論で学ぶ技法は、整数以外の対象への応用も持ちます。例えば、整数で割った余りについては、暗号理論など情報理論への応用があることが知られています。


プログラム
8月10日(金)第1エリア1E401
9:30     受付開始
10:00~11:30 講義と演習  「整数に関する有名な問題」  講師: 金子 元 助教
11:30~13:30 昼食 昼休み(学食等にご案内します.昼食代を持参して下さい.)
13:30~15:00 講義と演習  「整数に関する有名な問題」  講師: 金子 元 助教
15:10~16:20 懇談会・修了セレモニー(修了証をお渡しします.)
*今後若干の変更が行われる可能性があります.

体験学習申込フォーム(体験学習の申し込みは締切りました)
申込締切: 7月6日(金)必着
参加者の決定: 7月12日(木)から申込者宛に郵送にて通知いたします.定員を大きく超えた場合には抽選となる場合もありますので,予めご了承ください.

問い合わせ先:029-853-8073(学群教務)



過去の体験学習


これまでの体験学習の様子については、こちらをご覧ください。
参加者の感想についても、こちらでご覧いただけます。





元祖体験学習

江崎学長講演

体験学習は「筑波大学ではいったいどのような講義が行われているのか?」という疑問に応えることで、大学進学を考えている皆さんに将来筑波大学に来てほしいという願いから、平成6年、全国にさきがけて筑波大学で始まりました。その際、数学系の4人の講師の話に先立って、初日には当時の江崎玲於奈学長の「トンネルへの長い旅路」と題した興味深い講演(右の画像が講演の様子)もありました。



他学類の体験学習