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筑波大学数学談話会

日時 2017/10/26
場所 自然学系棟D棟509
講演者 青嶋 誠 氏(筑波大学 数理物質系数学域)
講演題目 高次元統計解析:理論・方法論とその周辺(再び)
概要 ゲノム科学、情報工学、金融工学などの現代科学の1つの特徴は、データがもつ次元数の膨大さにあります。次世代シークエンサによるゲノム配列データなど、次元数が数百万を超えるデータも解析の対象になります。こういった高次元データの第1の特徴は、次元数が標本数を遥かに超えることです。第2の特徴は、高次元データは豊富な情報を有するものの、それが巨大なノイズに埋もれているために見つけ難いことです。これらの理由から、通常の多変量解析法では、高次元データの推測に精度を保証することができず、間違った解析結果を導くことさえあります。高次元データの解析には、新しい理論と方法論が必要になるのです。それが、高次元統計解析です。

高次元統計解析は、多変量解析とは別物です。スパースモデリングとも別物です。本講演は、高次元統計解析の基本的な考え方と特徴をお話しします。なお、講演内容は、2017年9月5日に統計関連学会連合大会で行った、日本統計学会賞受賞記念講演に基づきます。