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筑波大学数学談話会

日時 2021年11月11日(木) 16時00分~17時30分
場所 オンライン
講演者 伊藤 健一氏 (東京大学数理科学研究科)
講演題目

Hypergeometric expression for the fundamental solution to the 2-dimensional discrete Laplacian

(数学フロンティア対象科目)

概要

偏微分方程式論において,基本解の方法は極めて基本的である.特にラプ
ラシアンに対する基本解は学部レベルでも必須の事項であり,広く応用も知られ
ている.一方で,ラプラシアンを離散化した離散ラプラシアンに対する基本解
は,積分表示や漸近挙動など,実用面での性質は古くから知られていたものの,
明示的な表示公式自体は(私の調べた限り)1次元を除いて知られていなかった
ようである.本講演では,多次元離散ラプラシアンのレゾルベントに対し超幾何
関数表示を与え,特に2次元の場合に適切な変数変換公式を適用することで,各
閾値周りでの漸近展開を計算する.この展開の第0次係数として,基本解の明示
的表示公式が現れることを見る.本講演はArne Jensen氏(Aalborg大学)との共
同研究に基づく.