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筑波大学数学談話会
日時 | 2012年10月16日 15:30 ~ 17:30 (※ 15:00 よりティータイム) |
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場所 | 総合B棟110公開講義室 |
講演者 | 小澤正直氏 (名古屋大学) |
講演題目 | ハイゼンベルクによる不確定性原理の定式化の反証可能性と新しい定式化,及び,新しい解釈 |
概要 | 1927年にハイゼンベルクは,不確定性原理を提唱して,質点の座標Qとその運動量成分Pを同時に正確に測定することはできず,その誤差ε(Q), ε(P)の間には,ε(Q)ε(P)≧h/4π という関係があると主張した。しかし,重力波検出装置の感度限界を巡る論争において,この関係式を破る測定の数学モデルが構成され,この関係の正当性に疑問が生まれた。本講演では,2003年に提唱された新しい関係式の理論的普遍妥当性,実験により古い関係が破られ,新しい関係が成立することを示す可能性を議論する。また,従来,量子力学では非可換性と同時測定可能性は同等の概念だとされてきたが,新しい関係式によってこの解釈を変更する必要性があることなどについて,量子測定理論,量子集合論,及び,弱値と弱測定に関する最新の成果を交えて議論する |