過去の体験学習

過去の体験学習

年度 平成22年度
日付 平成22年8月5日(木)
概要 『ギャンブルは儲かるか』
小池 健一 先生

 

競輪,競馬,競艇を始めとして,世の中には多くのギャンブルがあります. また,ジャンボ宝くじ,ロト,ナンバーズのような宝くじについても, 一獲千金を夢見て発売当日から売り場に並ぶ人たちがニュースによく登場します. これらは本当に儲かるのでしょうか?

ギャンブルと確率論は密接な関係があります.そもそも確率論の始まりが, シュバリエ・ド・メレ(1607-1684)がブレイズ・パスカル(1623-1662)に以下のような問題を出し, それをパスカルがピエール・ド・フェルマー(1601-1665)と手紙をやりとりして考えたことである とされています.

  1. さいころ2つを何回か振り,6‐6の目が1度でも出る確率が 1/2 以上になるためには何回振ればよいか?
  2. 賭けの勝負がつかないうちに何らかの理由で中止したとき,賭け金をどう配分すればよいか?

起こりうる事象を全て列記し,そのうちのある事象が起こる回数を数え上げてその比率を求めれば, その事象の確からしさが求められます.このような考察から確率論は生まれました.

現実社会においては,結果があらかじめ分からないことが数多くあります. しかもそのようなことに我々の生活が依存しています.このリスクに対して, 我々はどのように立ち向かっていくべきでしょうか. それには,確率を用いてリスクを見積もるのがよいのです.

今回の体験学習では,ギャンブルに関する問題を確率や期待値の概念を使って様々な観点から考えてみることにしましょう.
                                                                                                                      
                                                                                                            







年度 平成20年度
日付 平成20年8月7日(木)
概要

『(ミニ)ルービックキューブに挑戦!』
佐垣 大輔 先生


ルービックキューブ(Rubiks' Cube)は、ハンガリーの建築学者エルノー・ルービックが考案した立方体の形をしたパズルで、日本でも1980年から1981年にかけて大ブームになりました。どんなパズルかというと、右のような状態のキューブに「キューブの回転」を繰り返し行って、6つの面の色を揃えれば完成です。

簡単そうに見えますが実はかなり難しいパズルで、やみくもにキューブを回していてもまず解けません。なにせ、ルービックキューブに回転操作を施すことで起こりうる色の配置パターンは、ナント、

  43,252,003,274,489,856,000通り
  (4,325京2,003兆2,744億8,985万6千通り)

もありますから。

このようにとても難解なルービックキューブですが、その数学的な構造(もう少し詳しくいうと、群論的な構造)をじっくり調べることで解法が見えてきます。体験学習では、サイズがひと回り小さい2×2×2のミニルービックキューブを使って、

  Q.ミニルービックキューブの色の配置のパターンは何通りあるか?

という問題を考え、その数え上げの過程で見えてくるミニルービックキューブの解法について紹介したいと思います。難解なパズルを通して、群論や組合せ論の世界を覗いてみましょう!


年度 平成19年度
日付 平成19年8月3日(金)
概要

『連立方程式の応用―スプライン曲線と温度分布―』
田崎 博之 先生


この講義では、望む条件を満たすものを見つけようとすると、連立方程式を解くことになるという例を二つ紹介します。

スプライン曲線はコンピュータグラフィックスなどで利用されている曲線です。平面に順番を付けた点をプロットし、これらの点を順番通りに通っていく滑らかな曲線を描こうというのが、スプライン曲線の目的です。点を順番通りに通っていく滑らかな曲線ということが、この場合の望む条件になります。そして、そのような曲線を見つけようとすると、連立方程式が現れます。

次は温度分布です。金属の板の一部に熱いものが触れているときに、その板の温度の分布はどうなっているでしょうか。温度は場所によって違いますし、時間によっても変化しますが、時間が経過すると同じ場所の温度は変化しなくなります。この場合、一点のまわりの温度の平均がその点の温度に一致します。金属の板の上に細かい格子を描いて、まわりの点の温度の平均がその点の温度になるということを板全体で考えると連立方程式になります。

どちらの場合も微分の考え方が基礎にあって連立方程式が導かれるのですが、なるべく直感に訴えるわかりやすい説明を心掛けます。





 
  2007年8月3日(金)筑波大学1E棟4階

9:15~9:30   受付 1D201前

9:30~9:40   実行委員長(数学類長)挨拶及び事務連絡 1D201

9:40~9:50   講義の行われる教室(1E棟4階)に移動

9:50~11:50  講義と演習
            連立方程式の応用―スプライン曲線と温度分布―
              講師 田崎 博之 准教授
             演習は在学生が補助

11:50~13:00 昼休み 学生食堂などに案内します

13:00~15:00 講義と演習
            連立方程式の応用―スプライン曲線と温度分布―
              講師 田崎 博之 准教授
             演習は在学生が補助

15:00~16:30 放課後 在学生との懇談会

16:30~17:00 写真撮影 感想をひと言


   

年度 平成21年度
日付 平成21年8月6日(木)
概要

『微分方程式で、鑑定しよう!』
木下 保 先生


国宝級の絵画や工芸品が発見されたとき、如何にしてそれが本物か偽物かを 見抜くのでしょうか?実は、ある化学物質の変化に注目することで、加工され てから経った時間がわかり、本物か偽物かを鑑定できます。

日常生活でお茶が冷めて苦いと、ヤカンでお茶を製造(加工)してから時間が 経っていることが感覚的にわかるでしょう。短時間前ならば、温度差から次の 関係式(冷却に関するニュートンの法則)を用いて時間を求めることが可能です。

dF(t)/dt =kF(t)

ここで、kは物質から決まる定数で、tは時間、Fは温度差と表す関数とします。 このような関係式を微分方程式と呼びます。長時間前ならば、お茶の苦み(酸化) の変化からも同じような微分方程式を用いて時間を求めることが可能です。

今回の体験学習では、“微分”という演算をわかりやすく説明し、微分方程式 の解き方を説明します。そして、美術品の制作(加工)時期を求める年代測定に 挑戦しましょう!具体的には、次のウィンチェスター城の壁に取り付けられて いる円卓を調べてみます。


写真出典(無断転載禁止):Winchester City Council「Explore every Winchester」


※)微分方程式を用いて年代測定を行い、この円卓が“長時間前”である遠い昔 5世紀頃実際に実在したアーサー王の円卓であるかどうかを鑑定できます。







年度 平成18年度
日付 平成18年8月4日(金)
概要

『切ったり貼ったり ―― デーンの定理とその周辺 ――』
坂井 公 先生


面積や体積って何でしょう?実は複雑な図形の面積や体積を厳密に定義することは難しい問題で,大学に入ってからのお楽しみです。でも,長方形,三角形の面積の公式を証明することは簡単ですね。だって,切り貼りして形を整えれば,単位正方形何個分かはすぐ分かりますから。一方,円の面積の公式を正方形の切り貼りで証明することは無理そうです。では,立体,例えば三角柱や三角錐の体積の公式を, 同じように立方体の切り貼りによって示せるでしょうか?講義では,「どんな平面図形や立体図形なら,切り貼りして正方形や立方体に整形できるか?」という問題にまつわる事柄を,なるべく予備知識なしでお話したいと思います。



10:00 ~ 12:00 講義  切ったり貼ったり ― デーンの定理とその周辺 ―(坂井 公)

12:00 ~ 13:00 昼休み 学生食堂などに案内します

13:00 ~ 15:00 演習 坂井 公 先生と在学生

15:00 ~ 16:30 放課後 在学生との懇談会

16:30 終了証授与 写真撮影 感想