過去の体験学習

過去の体験学習

年度 平成16年度
日付 平成16年8月6日(金)
概要

『無限の彼方』
塩谷 真弘 先生

1,2,3,・・・ のその先はどうなっているか考えたことがありませんか。もしかして ∞ ? 正解。じゃあ ∞ のその先は?えっ ∞ のその先なんてあるの? ・・・「あった方が面白い」は無理でも「あっても面白い」くらいには思ってもらえるような講義にしたいと思っています。



『万有引力の法則とフックの法則』
磯崎 洋 先生

今、高校では微分積分は習いますが、微分方程式は習いません。しかし微分方程式こそ自然界の基礎なのです。ニュートンは万有引力の法則を発見し、惑星の運行は逆2乗の力の項をもった微分方程式に従っていることを示しました。これがこの世界の基本法則です。ニュートンとほぼ同時代の人でフックという人がいます。フックはばねの力によって動く物体の運動法則を発見していました。万有引力の法則とフックの法則は違った法則なのですが、軌道を描いてみるとどちらも楕円です。違った法則なのに軌道は同じというのはなんとなく不思議です。ところが複素数を使った変換をしてみると、両者が互いにうつりあうことが分かります。ニュートンの運動方程式を解くのは高校の範囲では大変です。しかしフックの法則は三角関数だけで理解できますから、三角関数と複素数を使って惑星の運動を調べてみましょう。計算が難しくなったらコンピュータの助けを借りて運動の様子を目で見ましょう。意外なところからの数学、力学、コンピュータへの入門講義です。





  9:15 受付

 9:30 自然学類長あいさつ、事務連絡

10:00 講義 『無限の彼方』 塩谷真弘

12:00 昼休み

13:00 講義 『万有引力の法則とフックの法則』 磯崎洋

15:00 在学生との懇談会

16:30 修了証授与

年度 平成17年度
日付 平成17年8月4日(木)
概要

『p-進世界へようこそ』
山崎 隆雄 先生


いち, にい, さん……と続く数が「自然数」、そこにゼロやマイナスも含めたのが「整数」、2/3などの分数まで加えて「有理数」です。このように数の世界はどんどん広がってゆきました。さらに広い数の世界として、円周率 π などを含む「実数」や、マイナス1の平方根まで含む「複素数」のこともみなさんはご存じかもしれません。

この講義では、「実数」と平行して存在する「p-進数」と呼ばれる新たな数の世界をご案内します。新世界を訪れるときは誰もが感じるように、始めはこの「p-進世界」も奇妙な世界に見えるでしょうが、最後には p-進世界も(実数世界と同じく)豊かな面白い世界だということを体験していただきたいと思います。



『ギャンブルの数学』
笠原 勇二 先生


確率というと皆さんは「ああ、あのジャンケンとか赤玉・白玉、あるいはトランプが出てくるやつか」と思うかもしれません。しかし高校までに習う「確率」は実は確率そのものよりも順列組み合わせの話がほとんどなのです。ですから大学の確率論では順列組み合わせの話はあまり出てきません。順列組み合わせが苦手の人も安心してください。

では大学の確率論では何をするかと言えば、自然現象や経済等に現れる偶然現象を数学的に厳密に定式化して議論してみようということです。世の中には競馬競輪といったギャンブルに縁の無い人でも、何かの決断をするときに、運不運を考慮せざるを得ない場面は多いと思います。どこの大学を受験しようかとか、今日は傘を持って出るべきかとか。そのような場合、確率論は魔法のように正解を教えてくれるわけではありませんが、何が合理的かを教えてくれます。偶然がからむ場面では、運の良い者と合理的な者が得をし、 不運な者と不合理な者が損をします。運の方は仕方がありませんから、何が合理的かについて考えたいと思います。





10:00 ~ 12:00講義p-進世界へようこそ (山崎隆雄先生)

12:00 ~ 13:00昼休み学生食堂などに案内します

13:00 ~ 15:00講義ギャンブルの数学 (笠原勇二先生)

15:00 ~ 16:30放課後おやつ + 在学生との懇談会

16:30 終了証授与 写真撮影


 

年度 平成18年度
日付 平成18年8月4日(金)
概要

『切ったり貼ったり ―― デーンの定理とその周辺 ――』
坂井 公 先生


面積や体積って何でしょう?実は複雑な図形の面積や体積を厳密に定義することは難しい問題で,大学に入ってからのお楽しみです。でも,長方形,三角形の面積の公式を証明することは簡単ですね。だって,切り貼りして形を整えれば,単位正方形何個分かはすぐ分かりますから。一方,円の面積の公式を正方形の切り貼りで証明することは無理そうです。では,立体,例えば三角柱や三角錐の体積の公式を, 同じように立方体の切り貼りによって示せるでしょうか?講義では,「どんな平面図形や立体図形なら,切り貼りして正方形や立方体に整形できるか?」という問題にまつわる事柄を,なるべく予備知識なしでお話したいと思います。



10:00 ~ 12:00 講義  切ったり貼ったり ― デーンの定理とその周辺 ―(坂井 公)

12:00 ~ 13:00 昼休み 学生食堂などに案内します

13:00 ~ 15:00 演習 坂井 公 先生と在学生

15:00 ~ 16:30 放課後 在学生との懇談会

16:30 終了証授与 写真撮影 感想


年度 平成19年度
日付 平成19年8月3日(金)
概要

『連立方程式の応用―スプライン曲線と温度分布―』
田崎 博之 先生


この講義では、望む条件を満たすものを見つけようとすると、連立方程式を解くことになるという例を二つ紹介します。

スプライン曲線はコンピュータグラフィックスなどで利用されている曲線です。平面に順番を付けた点をプロットし、これらの点を順番通りに通っていく滑らかな曲線を描こうというのが、スプライン曲線の目的です。点を順番通りに通っていく滑らかな曲線ということが、この場合の望む条件になります。そして、そのような曲線を見つけようとすると、連立方程式が現れます。

次は温度分布です。金属の板の一部に熱いものが触れているときに、その板の温度の分布はどうなっているでしょうか。温度は場所によって違いますし、時間によっても変化しますが、時間が経過すると同じ場所の温度は変化しなくなります。この場合、一点のまわりの温度の平均がその点の温度に一致します。金属の板の上に細かい格子を描いて、まわりの点の温度の平均がその点の温度になるということを板全体で考えると連立方程式になります。

どちらの場合も微分の考え方が基礎にあって連立方程式が導かれるのですが、なるべく直感に訴えるわかりやすい説明を心掛けます。





 
  2007年8月3日(金)筑波大学1E棟4階

9:15~9:30   受付 1D201前

9:30~9:40   実行委員長(数学類長)挨拶及び事務連絡 1D201

9:40~9:50   講義の行われる教室(1E棟4階)に移動

9:50~11:50  講義と演習
            連立方程式の応用―スプライン曲線と温度分布―
              講師 田崎 博之 准教授
             演習は在学生が補助

11:50~13:00 昼休み 学生食堂などに案内します

13:00~15:00 講義と演習
            連立方程式の応用―スプライン曲線と温度分布―
              講師 田崎 博之 准教授
             演習は在学生が補助

15:00~16:30 放課後 在学生との懇談会

16:30~17:00 写真撮影 感想をひと言


   

年度 平成20年度
日付 平成20年8月7日(木)
概要

『(ミニ)ルービックキューブに挑戦!』
佐垣 大輔 先生


ルービックキューブ(Rubiks' Cube)は、ハンガリーの建築学者エルノー・ルービックが考案した立方体の形をしたパズルで、日本でも1980年から1981年にかけて大ブームになりました。どんなパズルかというと、右のような状態のキューブに「キューブの回転」を繰り返し行って、6つの面の色を揃えれば完成です。

簡単そうに見えますが実はかなり難しいパズルで、やみくもにキューブを回していてもまず解けません。なにせ、ルービックキューブに回転操作を施すことで起こりうる色の配置パターンは、ナント、

  43,252,003,274,489,856,000通り
  (4,325京2,003兆2,744億8,985万6千通り)

もありますから。

このようにとても難解なルービックキューブですが、その数学的な構造(もう少し詳しくいうと、群論的な構造)をじっくり調べることで解法が見えてきます。体験学習では、サイズがひと回り小さい2×2×2のミニルービックキューブを使って、

  Q.ミニルービックキューブの色の配置のパターンは何通りあるか?

という問題を考え、その数え上げの過程で見えてくるミニルービックキューブの解法について紹介したいと思います。難解なパズルを通して、群論や組合せ論の世界を覗いてみましょう!