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筑波大学数学談話会

日時 2021年6月24日(木) 15時15分~16時45分
場所 オンライン
講演者 福島 竜輝氏 (筑波大学数理物質系)
講演題目

ランダムな障害物中のランダムウォーク(数学フロンティア対象科目)

概要

格子点の上にランダムに配置された障害物を避けてランダムウォークする粒子の
挙動を考える.まず障害物を避ける確率は,Feynman-Kac公式によってランダムポテンシャルを伴う
Schrodinger作用素が生成する半群の漸近挙動と関係がつき,いわゆるAnderson局在との関連で
調べられた古典的な対象である.次に障害物を避けるように条件づけたランダムウォークの挙動も
確率論,及び数理物理的な興味から研究され,1990年代後半には一定の理解が得られた.そこでの
主な手法はMarkov過程とポテンシャル論の関係や,スペクトル理論,大偏差原理といったどちらか
と言えば解析的な道具を使うものであった.ところが最近になって,残されていた未解決の問題の
いくつかに対して,組み合わせ論的な議論を援用することで迫ることができることが分かってきた.
講演では問題の起源から始めて,この最近の発展までの流れを概観する.

(談話会講演は数学フロンティア対象科目です。)