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筑波大学数学談話会

日時 2021年7月29日(木) 15時15分~16時45分
場所 オンライン
講演者 松浦 浩平氏 (筑波大学数理物質系)
講演題目

非有界領域上の反射壁ブラウン運動の大域的性質とノイマン・ラプラシアンのスペクトル

概要

d次元正方格子上の単純ランダムウォークは
d=1,2のとき再帰的であり, 出発した点に無限回戻ってきますが,
d>2のときは非再帰的となります. これはPolyaの定理と呼ばれ, 1920年頃に証明されました.
同様の結果はd次元ブラウン運動に対しても成り立ちますが, 境界条件をつけた場合はどうなるのでしょう.
非有界領域上の(対称な)反射壁ブラウン運動の再帰性は, 2000年代後半になってChenとFukushima,
Pinsky等によって調べられており, 講演ではこれらの結果について説明します.
また, Pinskyの結果にはある直感的考察が背景にあります. この考察に基づくことで,
horn-shape型の非有界領域上の反射壁ブラウン運動の一様エルゴード性と
ノイマン・ラプラシアンのスペクトルについて既存の結果が拡張できることを示します.

(なお,本談話会は大学院科目「数学フロンティア」対象セミナーです)