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筑波大学数学談話会

日時 2012年9月27日 15:30 ~ 16:30 (※ティータイム 15:00 ~ 15:30)
場所 自然系学系D棟509号室
講演者 青嶋 誠氏 (筑波大学)・矢田 和善氏 (筑波大学)
講演題目 たった30個の標本で,10000次元のデータを,どこまで精密に解析できるか?
※ この談話会は, 青嶋教授, 矢田助教の
   Abraham Wald Prize in Sequential Analysis  および
  日本統計学会研究業績賞
の受賞を記念してのものです。
概要 近年,高次元小標本のデータ科学が,理論と応用の両面から世界中で活発に研究されています.ゲノム科学・情報工学・金融工学に端を発する高次元小標本データは,新しいタイプのデータ科学を生み出そうとしています.
 従来の統計学は,大標本を前提とするために,高次元小標本のデータ解析に精度を保証する解を与えてくれません.そのことは,最近まで正確には知られていませんでした.高次元小標本のデータ科学には,従来の統計学の枠組みを超えた,新しい発想が必要になります.
 本講演では,10000次元を超える高次元データを,100にも満たない僅かな標本数で扱います.上手に扱わないと,高次元データからはノイズしか聞こえてきません.しかし,本来,高次元データは,豊富な情報を内包しているはず.高次元小標本におけるデータ空間の特性を理解して,適切に解析を行えば,高次元データは驚くほど豊かな情報を語ってくれるのです.
 当日は,高次元小標本のデータ科学に高精度かつ高速な解析を行うために,青嶋・矢田が一連の共同研究で構築した理論と方法論について,アイデアの幾つかをなるべく平易に説明します.