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2012-11 Blog Entry List

筑波大学数学談話会 (12月6日, 古田 幹雄 氏)

日時: 12 月 6 日 (木) 15:30 ~ 16:30    ※ 15:00 からお茶の時間です。
場所: 自然系学系棟 D509

講演者: 古田 幹雄 氏 (東京大学数理科学研究科)
講演題:低次元トポロジーにおけるゲージ理論

講演概要:
低次元微分トポロジーの分野でゲージ理論と総称される3つの理論があります。それらの関連は現在活発に研究が進められています。講演の前半では、それら3つの理論を比較しながら紹介したいと思います。

3つの中で現在もっとも強力とされるものはHeegaard Floer理論です。しかし一方で、その他の二つ、Donaldson理論(=ASD-Yang-Mills方程式を用いる理論)、あるいは Seiberg-Witten理論(=monopole方程式を用いる理論)を用いることによってアプローチできるが、 Heegaard Floer理論では現在アプローチの手段がないような現象も存在します。講演の後半では、そのような現象を紹介したいと思います。

数学特別セミナー: 津野祐司 氏 (12月6日)

日時: 12月6日(木) 14:00-15:00
場所: 自然系学系棟D814セミナー室

講演者: 津野祐司 氏 (千葉工大)
タイトル: 自由ホップ代数に対するクレフト拡大の自明性について

概要:
ホップガロア拡大とは,代数幾何学における群スキームに対する主等質空間(torsor)の非可換版と考えられます.さらに正規底をもつホップガロア拡大,または同値な条件として,ホップ代数の2-コサイクルを用いた接合積によって記述される環の拡大をクレフト拡大と呼びます.本講演では,「竹内光弘氏によって構成された, 勝手な余代数C によって生成される自由ホップ代数をH(C) で表すとき, H(C)-クレフト拡大は自明なものに限るか」という問題に対して,

(i) C が余可換の場合,
(ii) C の余根基が余可換の場合(この場合, 基礎可換環を体とする),
(iii) C が n×n 行列余代数の場合

に得られた結果をご紹介します. 時間があればH(C) のquasi-freeness (代数幾何学におけるformal smoothness の非可換版)にも触れ,その応用についてもお話したいと考えております.

多くの方々のご来聴をお待ちしています.

世話人 増岡彰

筑波大学数学談話会(11/29 成瀬弘氏)

筑波大学数学談話会のご案内です。

日時: 11/29 (Thu) 16:00 ~ 17:30      ※ 15:30 よりお茶の時間。

場所:
自然系学系D棟509

講師:
成瀬 弘 教授 (岡山大学)

タイトル:
古典群のループ空間の(コ)ホモロジー環のシューベルト基底

概要:
A型のループ空間 $$\Omega SU$$のホモロジー・コホモロジーは,対称関数の空間と同一視できることが良く知られている。ここでは,B,C型の場合に Schur のP-,Q-関数を変形することで,K-理論や一般コホモロジーの場合に対称関数でシューベルト基底を作るという試みについてお話する。(中川征樹氏との共同研究に基づく。)

成瀬弘氏 集中講義 (代数学特論I) 11月26日~29日

大学院集中講義(数学専攻)
代数学特論 I (01BB014) 1単位
成瀬 弘 教授 (岡山大学)

シューベルト・カルキュラスに登場する代数構造と組合せ論


概要: シューベルト・カルキュラスは,Lie群から作られる旗多様体のコホモロジー環の積構造を記号的計算で求めるために開発された.さらに組合せ論的な手法により種々の幾何学的な情報が有効に計算できることが知られている.この講義では,主として古典型のLie群に対するシューベルト・カルキュラスの基本的な手法について,背景となる代数構造との関連性を踏まえながら,シューア関数などの基本事項から始めて具体的な計算ができるよう丁寧に解説する.

11月26日(月) から 29日(木) まで
午前 10:30 ~ 12:30  午後 2:30 ~ 4:30
(ただし 29日(木) は午前中のみ)
於 D 814 セミナー室


履修申請は TWINS から行ってください.
履修申請期間 11月1日(金) ~ 11月23日(木)
世話人 増岡 彰 (内線 4368)

解析セミナー (11月21日)

日 時 : 11月 21 日(水) 16:30-17:30(延長の可能性あり)
場 所 : 自然系学系棟 D509

講 師 : A.G. Aleksandrov 氏(Institute for Control Sciences, Russian Academy of Sciences)
タイトル : "Multi-logarithmic differential forms on Cohen-Macaulay varieties"

講演要旨は こちら をご覧ください.

集中講義: 幾何学特論II (11/19~21)

授業科目: 幾何学特論 II (集中)
科目番号: 01BB049
日時: 11月19日 (月) ~ 11月21日 (水)
場所: 自然系学系棟 D814

講師: 太田 慎一 氏 (京都大学大学院理学研究科数学専攻・准教授)

講義題目: 最適輸送理論とリッチ曲率

講義概要:
最適輸送理論とは, 「ある分布 (確率測度) を別の分布に最小のコストで輸送する (押し出す) 方法」を研究する分野であり, 偏微分方程式論や確率論などで近年非常に活発に研究されている. 例えば, 最適輸送コストを分布の間の距離と考えるとき, この距離構造についてのある種のエントロピーの勾配流は熱流と一致する. また, リーマン多様体では最適輸送の性質は多様体の曲がり方と密接に関係し, エントロピーの凸性とリッチ曲率を下から押さえることの間の同値性が知られている.

この講義では, まず前半でユークリッド空間内の最適輸送の基本的な性質を解説し, 熱流との関係についても述べる. 後半ではリーマン多様体内の最適輸送を扱い, 上述のリッチ曲率との関係と幾何的・解析的応用を述べる. 最後に最近の発展について簡単に概説する.

代数特別セミナー (11月15日)

日時: 11月15日 (木) 15:30-16:30
場所: 自然系学系棟 D509

タイトル: Higher Chow cycles on Abelian surfaces
講演者: Ramesh Sreekantan 氏 (The Indian Statistical Institute in Bangalore)

概要:
In this talk we use generalizations of beautiful classical geometric constructions of Kummer and Humbert to construct new higher Chow cycles on Abelian surfaces and K3 surfaces over p-adic local fields, generalising some work of Collino. The existence of these cycles is predicted by the poles of the local L-factor at p of the L-function of the Abelian surface. The techniques involve using some recent work of Bogomolov-Hassett and Tschinkel on the deformations of rational curves on K3 surfaces.

解析セミナー (11月14日)

日 時 : 11月 14 日(水) 15:10 ― 18:00 (いつもと時間帯が異なります)
場 所 : 自然系学系棟 D509

(1) 15:10-16:00
講 師 : Katsiaryna Krupchyk 氏 (University of Helsinki)
タイトル : "Inverse boundary value problems for perturbed polyharmonic operators."

(2) 16:10-17:00
講 師 : Mikhail Hitrik 氏 (UCLA)
タイトル : "Tunnel effect and symmetries for non-selfadjoint operators."

(3) 17:10-18:00
講 師 : 長谷川 誠 氏(LORIA,フランス)
タイトル : 「ラドン変換を用いたアフィン変換に頑健なパターンマッチング」

微分幾何火曜セミナー(11月13日)

日時: 11月13日(火)  15:15~16:45
場所: 自然系学系棟B627

講演者: 三石史人 氏 (東北大)
タイトル: アレクサンドロフ空間の局所リプシッツ可縮性とその応用

概要:
アレクサンドロフ空間とは断面曲率の下限を備えた距離空間です。多様体の収束・崩壊理論の観点から、アレクサンドロフ空間の研究は重要であり、その局所的・大域的な性質が色々と判明しています。例えば、ペレルマンによって、アレクサンドロフ空間は位相的に局所可縮である事が知られています。今回、その証明と異なる方法を取ることによって、主張「局所的な一点へのホモトピーがリプシッツ写像で取れる」事を証明しました。講演では、主張の証明のアイディアと応用を述べます。