新着情報

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数学域談話会(11月25日)

数学域談話会を以下の通り開催します。ふるってご参加ください。(数学フロンティア対象科目です。)

世話人:竹内耕太

日時:11月25日15:15~16:30
場所:D509

講演者:池田宏一郎(法政大学経営学部)

タイトル:ジェネリック構成法
概要:
モデル理論は,公理とそれを満たす構造(モデル)との関係を研究する数学基礎論の一分野であるが, 特に現代のモデル理論の出発点になったのがShelah の分類理論である. それは簡単にいえば, モデルの数を数えることで公理を分類する方法である. モデルの数を数えるという観点から, 非常に扱いやすい公理として強極小な公理が知られている. 例えば, 標数が固定された代数閉体の公理は強極小になる. 一方,「強極小な公理で自明でないものは代数閉体の公理に限られる」という予想があった. この予想に対し反例を与えたのが Hrushovski であり, そこで使われた方法がジェネリック構成法である. ジェネリック構成法とは, 可算個の有限構造をうまく貼り合わせることで無限構造を作る方法であり, Hrushovski はこの構成法を用いてモデル理論の2つの有名な予想を解決した. 今回は, ジェネリック構成法の概略を述べ, 現在の研究内容との関連を説明する.

 

 

12月5日(木)談話会 今野北斗 先生(東京大学数理科学研究科)

12月の談話会を以下のように実施します.奮ってご参加ください.

なお,この談話会は数学フロンティアの対象科目です。

 

日時:12月5日(木)15:30 〜 17:00 (Tea time:15:00〜)

場所:D509

講演者:今野北斗 先生(東京大学数理科学研究科)

題目:Diffeomorphism group and gauge theory

概要:4次元は多様体の分類理論の中で特異的な次元であり,4次元多様体のみに対して発生する現象が存在する.このような現象の発見・追求の道具として,物理学由来の偏微分方程式を4次元多様体上で考察するゲージ理論が有効であることも,現在では良く知られている.他方,多様体のトポロジーにおいて,多様体の自己同型群である微分同相群は基本的な興味の対象である.半世紀以上前に分類が一段落ついた高次元多様体に対してもなおその発展は著しく,最近のトポロジーの重要な潮流をなしている.そのような流れの中で,4次元多様体の微分同相群の組織的な研究,特にゲージ理論的な研究は,少数の先駆的な結果を除いて長らく未開拓だった.しかしこの数年,4次元多様体の族に対してゲージ理論を展開する「族のゲージ理論」が急速に発展し,それに伴い4次元多様体の微分同相群の理解が前進しつつある.具体的には,多様体の分類理論と同様,多様体の微分同相群に対しても,4次元特有の現象が存在することが明らかになってきたのである.談話会ではこのような最近の展開を概観したい.

科研費国際シンポジウム(つくば国際会議場 (対面開催) 12月4日〜6日)

科学研究費補助金 基盤研究(A) 20H00576
「大規模複雑データの理論と方法論の革新的展開」研究代表者: 青嶋 誠

学術研究助成基金助成金 挑戦的研究 (萌芽) 22K19769
「テンソル構造をもつ巨大データの統計的圧縮技術の開発」研究代表者: 青嶋 誠

による国際シンポジウム
「International Symposium on Theories, Methodologies and Applications for Large Complex Data」

世話人: 青嶋 誠(筑波大学)、矢田和善(筑波大学)、石井 晶(東京理科大学)、江頭健斗(東京理科大学)
日 時: 2024年12月4日 (水) 〜 6日 (金)
場 所: つくば国際会議場 中会議室 202 (https://www.epochal.or.jp/access/ )
開催形式: 対面開催

プログラムは、下記サイトでご確認ください。
https://www.math.tsukuba.ac.jp/~aoshima-lab/Program2024.pdf

シンポジウムの最新情報は、下記サイトでご確認ください。
https://www.math.tsukuba.ac.jp/~aoshima-lab/jp/symposium.html

12月5日(木)に、高次元ランダム行列理論で著名なYao教授等、以下の
4名の著名な研究者による基調講演と特別招待講演を予定しています。

基調講演
Prof. Jianfeng Yao (Chinese University of Hong Kong (Shenzhen))
Prof. Su-Yun Huang (Academia Sinica)
特別招待講演
Prof. Shurong Zheng (Northeast Normal University)
Prof. Sungkyu Jung (Seoul National University)


参加人数の把握のため、ご参加にあたっては以下のGoogleフォームから
参加登録をお願い致します。
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参加登録(懇親会参加予定者は11月末までにご登録をお願い致します。)
https://forms.gle/Nem8UqsyoKrGBBvA7
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第14回 RCMS サロン「機械学習における数理」(12/12)

第14回 筑波大学 RCMS サロン「機械学習における数理」のお知らせ
https://rcms.math.tsukuba.ac.jp/events/rcms-salon-14

日時:2024年12月12日(木)15:15 ~ 17:30
場所:筑波大学自然系学系棟D509室
https://www.tsukuba.ac.jp/access/tsukuba-campus/naturalscience-d.html


数理科学研究コア (RCMS) は,数学を礎とした分野横断的な融合研究,
各種プロジェクト・国際連携・産学独連携,並びに若手人材育成を推進すべく,
筑波大学数理物質系数学域の教員を中心に2017年10月1日に発足いたしました.

数理科学研究コアHP
https://rcms.math.tsukuba.ac.jp/home
(数理科学研究コア長は 青嶋 誠先生です.
https://www.math.tsukuba.ac.jp/~aoshima-lab/jp/index.html )


数理科学研究コア(RCMS)では数理科学全般における様々な研究分野の相互理解を推進する場として,「RCMSサロン」を開催しています.
今回は「機械学習における数理」というテーマで3名の講師の方々に講演していただきます.

(参加登録は不要です) 皆様のご参加をお待ちしております.

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プログラム
★ 15:15 -- 15:50 矢田 和善(筑波大学 数理物質系)
タイトル:「正則化パラメータに依存しない高次元特徴抽出法について」


★ 16:05 -- 16:40 中山 優吾(日産自動車 総合研究所)
タイトル:「自動車工場におけるエルゴノミクス評価の数理モデル」


★ 16:55 -- 17:30 五十嵐 康彦(筑波大学 システム情報系)
タイトル:「ベイズ推論に基づく小規模化学実験データの変数選択」


各講演の概要はこちらでご確認下さい。
https://rcms.math.tsukuba.ac.jp/events/rcms-salon-14


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矢田和善
筑波大学 数理物質系 数学域
E-mail: yata@math.tsukuba.ac.jp

10月31日(木)談話会 福島 竜輝 先生(筑波大学数理物質系)

10月の談話会を以下のように実施します.奮ってご参加ください.

なお,この談話会は数学フロンティアの対象科目です。

 

日時:10月31日(木)15:30 〜 17:00 (15:00よりtea time)

場所:D509

講演者:福島 竜輝 先生(筑波大学数理物質系)

題目:パーコレーションにおける路の数

概要:整数格子の各辺において,独立にopen/closedが指定されているときに,いろいろな意味で連結性を調べることをパーコレーションの問題という.この模型については,無限に延びるopenな路の存在が中心的な問題として研究されており,多くのことがわかっている.一方で,指定された長さのopenな路がどれくらいあるかも,独立に興味ある問題である.この講演では,ある意味で「向き」のついた路の数については,長さについて指数的に増大し,増大率はランダムではない定数であり,各辺がopenである確率に連続的に依存する,といったことが証明できることを紹介する.
 

11月14日(木)談話会 吉川祥 先生(東京理科大学)

11月の談話会を以下のように実施します.奮ってご参加ください.

なお,この談話会は数学フロンティアの対象科目です。

 

日時:11月14日(木)15:30 〜 17:00 (Tea time:15:00〜)

場所:D509

講演者:吉川祥 先生(東京理科大学)

題目:楕円曲線の数論的同値について

概要:代数体上の楕円曲線は整数論において古くから研究されており,今なお重要で面白い対象である.楕円曲線に対して,その整数論的に重要な情報を備えた複素関数(L関数と呼ばれる)が定まる.このL関数はもとの楕円曲線の多くの情報を知っているが,実は楕円曲線の全てを知っているわけではない.この講演では,異なる代数体上で定義された楕円曲線から同じL関数が得られることがあり得る,という現象(楕円曲線の数論的同値)について説明する.さらに,そのような状況はかなり限定的であることについても説明したい.背景から始めて,楕円曲線について知らない方にも聴いていただけるように説明する.この講演は,伊藤哲史氏(京都大学)と千田雅隆氏(東京電機大学)との共同研究に基づく.
 

第5回 数理の交差点

下記の要領で「第5回 数理の交差点」を開催します。

数理の交差点は、研究内容やセミナー情報を共有することで数学域とシステム情報系4域との交流を目的としたセミナー形式の集会です。皆様奮ってご参加ください。また、数理の交差点は数学フロンティアの対象科目になります。

日時:   2024年9月30日(月) 14:00 -- 16:00
開催形式:  対面・Zoom ハイブリッド(状況次第でオンラインのみ)
対面開催地: 筑波大学 3A402

Zoomでの参加をご希望の方は下記URLからミーティング登録をお願いいたします。
https://zoom.us/meeting/register/tJItf-2sqzsjH9blhhO05H_SrNXeoUWAd_VF
※登録には名前・メールアドレス・会社名/学校名・役職 (学年) が必要です。

9月30日(月)

14:00 -- 14:10  開会

14:10 -- 14:50  三目直登(構造エネルギー工学)
       「グラフ」の視点からみた力学現象の数値解析

偏微分方程式に対する数値解析手法には、Taylor 展開に基づくものや、変分原理に基づくものなど様々な手法が存在する。また、空間の離散化に対しても、座標系に沿った規則正しい格子を用いるものや、四面体等の非構造メッシュを用いるもの、点群 (粒子) のみを用いるものなど、様々な形態がある。これらの多様な方法論に対し、数値計算の離散化された系と対応する「グラフ」を定義する方法を紹介し、スーパーコンピュータ向け並列化やマルチフィジックスシミュレーション、機械学習による代替モデルなどの問題を統一的に扱う一つの方法を紹介する。また、その数理に基づく複雑現象の数値解析戦略を議論する。

15:10 -- 15:50  及川一誠 (数学)
       有限要素法からHDG法へ

有限要素法は構造力学分野を中心として開発された偏微分方程式の数値計算手法で,現在では様々な問題に対して広く用いられている.本講演の前半ではPoisson方程式をモデル問題として,有限要素法の定式化と誤差評価理論について概要を解説する.近年では,有限要素法を不連続化およびハイブリッド化することで得られるHybridizable Discontinuous Galerkin (HDG)法という手法が提案されて盛んに研究されている.後半ではこのHDG法を紹介し,超収束と呼ばれる特有の性質に関して述べる.

15:50 -- 16:00  閉会

 

委員:

八森正泰(社会工学)
佐野良夫 (情報工学)
高安亮紀 (知能機能システム)
金川哲也 (構造エネルギー工学)
秋山茂樹 (数学) 
佐垣大輔(数学) 
坂本龍太郎 (数学)
三原朋樹 (数学)

 

アブストラクト.pdf
プログラム.pdf
ポスター.pdf

 

Tsukuba Workshop for Young Mathematicians 2024


2008年以降毎年2月に開かれるこの国際研究集会---筑波大学大学院数学専攻前期課程の学生が修士論文の研究成果を発表する場として、海外を含む学外の若手研究者をゲストに迎えて開かれます。

今年度はオンライン(公開2月6日--19日)にて東京大学の若手研究者をゲストに迎えます。
詳細は次をご覧ください。
https://sites.google.com/math.tsukuba.ac.jp/workshopyoung2024/

研究集会「リーマン幾何と幾何解析」(2024年2月19日〜21日)

研究集会「リーマン幾何と幾何解析」を下記の通り開催いたします.
皆様のご参加をお待ちしております.


研究集会「リーマン幾何と幾何解析」
日程:2024年2月19日(月)~21日(水)
場所:筑波大学 第一エリア 1D201室
HP:http://www.math.tohoku.ac.jp/~takumiy/RGGA24.html

プログラム:
2月19日(月)
10:00--11:00:服部広大氏(慶應義塾大学)
エネルギーを最小化する写像とcalibrated geometry

11:15--12:15:藤谷恭明氏(大阪大学)
Comparison geometry under lower bounds of 0-weighted Ricci curvature

13:45--14:45:Xingyu Zhu氏(ボン大学)
Interactions of positive scalar curvature and nonnegative Ricci curvature in large scales

15:00--16:00:大島駿氏(東北大学)
測度距離空間のオブザーバブル直径と正の測度を持つ点の存在

16:15--17:15:木上淳氏(京都大学)
距離空間上のソボレフ空間の構成

2月20日(火)
9:45--10:45:藤岡禎司氏(大阪大学)
Upper curvature bound and the curvature integral

11:00--12:00:篠田裕佑氏(岡山大学)
フィンスラー多様体上の等長変換群がリー群であることの測地線論的証明

13:30--14:30:辻寛氏(大阪大学)
Functional volume productの単調性について

14:45--15:45:三浦達哉氏(東京工業大学)
Stabilization phenomenon in p-elastica theory

16:00--17:00:筧知之氏(筑波大学)
Mean value operators on the sphere

2月21日(水)
9:45--10:45:山本光氏(筑波大学)
Some results on Ricci mean curvature flows

11:00--12:00:櫻井陽平氏(埼玉大学)
Almost splitting and quantitative stratification for super Ricci flow

13:30--14:30:高津飛鳥氏(東京都立大学)
Non-preservation of concavity properties by the Dirichlet heat flow on Riemannian manifolds

14:45--15:45:高橋淳也氏(東北大学)
Small eigenvalues of the Hodge-Laplacian with sectional curvature bounded below

16:00--17:00:井関裕靖氏(慶應義塾大学)
可算群上のランダムウォークと調和写像

備考:会場までのアクセスや周辺地図の詳細につきましては
HPに掲載しているリンク先をご参照ください.

世話人:
永野幸一(筑波大学)
本多正平(東北大学)
山口孝男(筑波大学)
横田巧(東北大学)

1月19日(金)談話会 櫻井陽平 先生(埼玉大学)

1月の談話会を以下のように実施します.奮ってご参加ください.

なお,この談話会は数学フロンティアの対象科目です。

 

日時:1月19日(金)15:30 〜 17:00

場所:D509

講演者:櫻井陽平 先生(埼玉大学)

題目:super Ricci flowの幾何解析

概要:本講演ではRicci flowの優解であるsuper Ricci flowについてお話しする.
super Ricci flowは非負Ricci曲率とRicci flowを結びつける概念であり,Bamler (2021+,2023)による幾何学流の収束理論やSturm (2018)による測度距離空間上の幾何学流理論に登場する.
まず非負Ricci曲率(より一般にRicci曲率が下に有界な)Riemann多様体の収束理論ならびにそのような概念を持つ測度距離空間の理論について振り返る.
その上でsuper Ricci flowの研究における今後の課題等について検討したい.
時間が許せば,國川慶太氏(徳島大学)との共同研究で得られた結果についても触れたい.