学類長からのメッセージ

数学類長 竹内 潔


  フランスを代表する数学者かつ哲学者であるパスカルは、その代表作「パンセ」の中で「人間はひとくきの葦にすぎない。自然のなかで最も弱いものである。 だがそれは考える葦である」と述べています。 つまり人間を動物と分け人間たらしめているのは、思索する精神であるということです。ところが現代社会では文明が極度に発達し、既存の知識を頭につめこむのが学問であると勘違いしがちです。実際受験勉強などでは、多くのバラバラな知識を何ら疑問を持つことなく無批判的に受け入れることが一時的に有利に働くこともあるかも知れません。 しかしこうしてそのまま大人になり社会の歯車となることが、本当に自由な人間だといえるでしょうか? パスカルの思い描いた理想とは180度ずれた方向に向かっているとしかいいようがありません。 数学には他の学問にない際立った特徴があります。それは何千年にもわたって我々人類が必死に考え、ありとあらゆる疑問や批判にさらすことで純化して得られた、絶対的に正しい真理のみからなるということです。それらは普遍的な真理であるがゆえに非常に高度に集積し、比類ない美しい理論体系が構築されています。数学類においては自らとことん考え、この人類が生んだ最高傑作に触れることができます。小中学校の時に比べ高校の数学がずっと本格的でがぜん面白くなったと感じている皆さんにとって、次のステージではさらに素晴らしい光景が広がっていることが容易に想像できるかと思います。この感動をぜひ一緒に体験しましょう。